手で考え、足で思う

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学生時代を京都で過ごしたせいでしょうか京都へ行くと必ず立寄る処があります。そこは五条坂にある河井寛次郎記念館です。
御存知の方も多いと思いますが河井寛次郎は柳宗悦の主唱した「民芸運動」に深くかかわった陶芸家です。同志には陶芸の濱田庄司・版画の棟方志功・染色の芹沢銈介がいます。

この記念館は河井寛次郎の仕事場と住宅をそのまま活かしたものですから、河井寛次郎の生活の中へ入り込んでしまったかのような錯覚に陥ります。その仕事場の床の間に「手考・足思」と大書した額が掲げられてありました。この言葉は柳宗悦の主唱した民芸運動の精神ともいえると思います。

今日の急速に変化する技術革新の社会状況の中で、もう一度この陶芸作家の河井寛次郎が、足でロクロを廻し、手で土をこねあげるという頭で考えるだけでなく「手で考え、足で思う」という教育の基本とすべきことを再考したいものです。

近頃、街中では耳にヘッドホン、目にスマホの若者の姿を見ます。「あそびを通しての指導を中心とする幼稚園教育」では、砂場でのドロンコあそびや室内での大きな積木あそびのような「手で考え、足で思う」という心身全体のバランスのとれた「育ち」をしっかりと保障してあげなければならないと存じます。(園長 今湊 良敬)

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : ahjk7h65f89yq3iot6o4